【自作量子コンピュータ NMRQCP】ノイズの中から信号を探せ!FFTとパルス制御の仕組み

波を分解する魔法「FFT」

前回の記事で、現実の信号はノイズだらけだということがわかりました。そこで活躍するのが「FFT(高速フーリエ変換)」です。
FFTは、横軸を周波数に変換し、その信号の中に「どの周波数が、どのくらい含まれているか」を可視化してくれます。これは光を色ごとに分けるプリズムのようなものです。

  • レコードに例えると、回す速さとデータが合わないときは波がバラバラになって相殺されます。
  • しかし、速さとデータがピッタリ合うと、波の山と谷がそれぞれ重なり合って重心がズレます。

この原理で特定の周波数を見つけ出します。

通常の計算では \(N^2\) の時間がかかりますが、FFTを使うと \(N \log N\) の計算量で済むため「高速」と呼ばれています。実数信号の処理には、効率が良い「複素FFT(np.fft.rfft)」を使用しました。実際に2100Hzと2150Hzの2つの波を混ぜてFFTにかけると、周波数が近すぎると上手く表示できないという発見もありました。

量子の状態をどうやってコントロールする?

量子ビット(原子核スピン)を操作する手順は以下の通りです。

  1. FFTで得たHz(量子ビットが受け取れる電波の周波数)を特定する。
  2. 同じHzの操作パルス(電波)を量子ビットに当てる。
  3. 原子がエネルギーを吸収して「共鳴」が起きる。
  4. スピンの方向が変化する。
  5. パルス照射が終わった後の応答信号(FID)をFFTで確認する。

結果を見たとき、FFTのピークが無ければ「0(電波を出さない)」、ピークがあれば「1または重ね合わせ(原子が震えて電波を出す)」という状態だと分かります。このパルス照射の時間を調整することで、量子の状態を自在にコントロールできるんです!


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