【自作量子コンピュータ NMRQCP】リレーを使って回路を切り替える!
こんにちは!自作の地球磁場NMR(EFNMR)方式で量子コンピューターの開発に挑戦している高専生です。
今回は、量子コンピューターのハードウェア制御の要となる「タイミングの切り替え」について、僕が実際に書いたプログラムとそのテストの様子を紹介します!
「分極」と「受信」の絶対に間違えられないタイミング
EFNMRでは、水の中のプロトン(水素原子核)の向きを地球磁場と直交する向きに揃えるために、コイルに強力な電流を流す「分極(Polarization)」というフェーズがあります。
しかし、その直後に極めて微小な「FID信号」を拾う「受信(Receiving)」フェーズに移らなければなりません。この2つを同時に行うと、大電流が繊細な受信回路に流れ込んでしまい、あっという間にパーツが黒焦げになってしまいます(過去のオペアンプ焼損事件の教訓です)。
M5Stackとリレーで「自動切り替え」を作る
そこで、この2つの状態を安全かつ自動で繰り返す仕組みを作りました。使うのは、小さなマイコン「M5Stack CoreS3 Lite」と、「M5Stack用ミニリレーユニット」です。
開発環境にはArduino IDEを使い、M5Unifiedというライブラリを利用して、基礎的なステータスマシン(状態遷移)のプログラムを書きました。
digitalWrite(RELAY_PIN, LOW); // リレーOFF
M5.Display.println("1. Polarizing...");
M5.Display.println("Relay: OFF (Charge)");
delay(5000); // 5秒間分極させる
// --- 2. 受信フェーズ (Receiving) ---
digitalWrite(RELAY_PIN, HIGH); // リレーON
M5.Display.println("2. Receiving...");
M5.Display.println("Relay: ON (Listen)");
delay(3000); // 3秒間信号を受信する
動きはとてもシンプルです。まずリレーをOFFにして、5秒間コイルに大電流を流して分極させます。次にリレーをONにしてコイルからの電流を物理的に遮断し、3秒間オペアンプ(受信回路)側に切り替えて信号を待ちます。
実際の動作テストの様子
実際に動かしてみたときの写真がこちらです。
カチッ、カチッと物理的なリレーの音を立てて、数秒おきに自動でフェーズが切り替わるのを見ると、「システムがちゃんと生きている!」と感動します。これでハードウェアを壊すことなく、安全に実験を回すための心臓部が完成しました。
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