【自作量子コンピュータ NMRQCP】大電流のスイッチング回路

 こんにちは!自作の地球磁場NMR(EFNMR)方式で量子コンピューターの開発に挑戦している高専生です。

今回は、ハードウェア制御の要である「大電流のスイッチング」のテスト風景をお届けします。マイコンの小さな電力で、巨大な電流を安全に操るための工夫について解説します!

マイコン(3.3V)でバッテリー(12V)を操るには?

僕のプロジェクトでは、コンセントからのノイズ混入を完全に防ぐために、分極用の主電源として12Vの完全密封型鉛蓄電池(12V12Ah WP12-12)を使っています。

しかし、これを制御するマイコン「M5Stack CoreS3 Lite」のピンから出せるのは、たった3.3Vの微弱な信号です。この信号を直接大電流の回路に繋げば、マイコンが一瞬で煙を吹いて壊れてしまいます。

そこで、M5Stackの小さな信号で12Vの大電流を安全かつ正確にON/OFF(スイッチング)するための「電子的なスイッチ」として、NchパワーMOSFET「2SK4017(Q) (60V5A)」を使った駆動回路を設計しました。

ブレッドボードでの動作テストとオシロ波形

まずは本物のコイルを繋ぐ前に、ダミー負荷(LEDと抵抗)を使ってブレッドボード(EIC-102BJ)上にテスト回路を組みました。

M5Stackからパルス信号を送り、MOSFETがちゃんとオン・オフできているか、携帯型オシロスコープを当ててスイッチング波形を確認します。

結果は大成功!M5Stackからの信号に対してMOSFETが正常に反応し、想定通りのスイッチング波形が出力されていることを確認できました。

💡 オシロスコープ波形の所感
波形の立ち上がり・立ち下がり時間は非常に鋭く、スパッと切り替わっていました。ダミー負荷(LED)の段階では、気になるようなノイズや波形の乱れ(リンギング)もほぼ見られず、とてもクリーンなスイッチングができています。

次なる課題:「サージ電圧」の恐怖

LEDを使った小電流でのテストは完璧でしたが、油断はできません。本番ではここに自作の巨大な分極コイル(2UEWエナメル線を巻いたもの)を接続します。

コイルには「巨大なインダクタンス成分(電流の変化を嫌う性質)」があります。大電流を急に遮断した瞬間、コイルは無理やり電流を流し続けようとして、強力な逆起電力(サージ電圧)を発生させます。何の対策もせずにこれをやると、MOSFETは一撃で破壊されてしまう危険性が高いのです。

本番の実装に向けては、すでに調達してある「ファストリカバリーダイオード 20NFA40 (400V2A)」を還流(フリーホイール)ダイオードとしてコイルと並列に挿入し、確実なサージ保護回路を組む予定です。

ハードウェア開発はこうした「破壊のリスク」との戦いですが、回路が思い通りに動いたときの楽しさは格別です!


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