【自作量子コンピュータ NMRQCP】エナメル線を250m分巻く
こんにちは!自作の地球磁場NMR(EFNMR)方式で量子コンピューターの開発に挑戦している高専生です。
今回は、量子コンピューターの「心臓部」とも言えるセンサーコイルの製作と、以前作った回路を使った大電流の通電テストについてお届けします!かなり過酷な物理作業の記録です(笑)。
250メートルの果てなき道…「1600回手巻きコイル」
EFNMRでは、ターゲットとなる水(プロトン)に磁場をかけるための巨大なコイルが必要です。
まずはボビン(芯)を作るため、外径48mmの透明塩ビパイプをSK11のパイプカッターで切り出しました。そして、ここに0.5mmの2UEWエナメル線をひたすら巻き付けていきます。
必要な磁場強度とインダクタンスを確保するため、巻数はなんと1600ターン、エナメル線の長さにして約250メートル分にもなります!
手巻きコイルを成功させる3つのコツ(血と汗のメモ)
数日かけて手作業で巻いたのですが、この作業は本当に根気が必要でした。これから手巻きコイルを作る人(いるのかな?)のために、僕の失敗から得たメモを残しておきます。
- テープで仮止めする:途中で手が滑って線がたわんだり緩んだりすると、また最初からやり直しになって絶望します。定期的にテープでしっかり止めるのが鉄則です。
- 絶対に2人でやる:塩ビ管側を持って回す人と、エナメル線をピンと張った状態で持つ人の2人に分かれて作業した方が絶対に良いです。1人だと限界があります。
- 適度に休む:線がたるまないように常に強く張り続けなければならないため、異常に手が疲れます。定期的に休みながら進めました。
運命の通電テスト!サージ対策のダイオードは勝つか?
コイルが完成したので、先日実装したMOSFET駆動回路に接続し、実際の分極フェーズを想定した大電流の通電テストを行いました。
商用電源からのノイズ混入を完全に防ぐため、主電源には完全密封型鉛蓄電池(12V12Ah WP12-12)を使用し、M5Stackからのパルスで「NchパワーMOSFET 2SK4017(Q)」をON/OFF制御します。
最大の懸念は、巨大なインダクタンスを持つコイルの電流を遮断した時に発生する「強烈な逆起電力(サージ)」です。これがMOSFETを破壊しないかヒヤヒヤしましたが……結果は大成功でした!
基板に実装しておいた「ファストリカバリーダイオード 20NFA40」が還流ダイオードとしてバッチリ機能してくれたおかげで、MOSFETが壊れることなく、安全かつ正確にスイッチングできることが確認できました。
次のステップへ
これでハードウェアと電源回路の基本動作が実証できました!
次はいよいよ、高純度精製水(脱イオン水)を入れたサンプルボトルをこのコイルの内部にセットします。M5Stackのパルス制御とUSBサウンドカードでの取り込みを連携させて、「プロトンの歳差運動(FID信号)の実測とFFT解析」という量子コンピューターらしい実験へ移行していきます。
- 日々の実験メモやコード: GitHubリポジトリ(nmr-qc-project) に公開中
- リアルタイムの開発風景・オシロスコープ波形: X(旧Twitter) でポスト中
「本当に動くのか?」「どうやって波形を出すのか?」など、気になった方はぜひブログのブックマークやXのフォローをお願いします!

コメント
コメントを投稿