スパコンでもお手上げの「空気の流れ」を解く!?マツダと量子コンピュータが創る未来のクルマ
スパコンでもお手上げの「空気の流れ」を解く!?マツダと量子コンピュータが創る未来のクルマ
公開日: 2026年10月4日 | トピック: 自動車工学 × ゲート型量子コンピュータ
こんにちは!自作の地球磁場NMR(EFNMR)方式で量子コンピューターの開発に挑戦している高専生です。
「量子コンピュータって、結局何に使えるの?」と思っていませんか?
実は今、私たちが普段街で見かける「自動車」の性能を劇的に進化させるために、量子コンピュータを使った最先端の研究が日本で進んでいます!難しい数式を使わずに、その面白さを分かりやすく解説します。
1. クルマの空気抵抗を計算するのは超大変!
新幹線やスーパーカーの形を思い浮かべてみてください。どれもツルッとした流線型をしていますよね。これは、走るときにぶつかる「空気の抵抗」をできるだけ減らして、燃費を良くしたりスピードを出したりするためです。
自動車メーカーは車を作るとき、パソコン上で「空気がどう車体を流れるか」を細かくシミュレーション(これをCFD:数値流体力学と呼びます)しています。しかし、空気中には目に見えない無数の空気分子が存在し、互いにぶつかり合って複雑な渦を作ります。
この計算はあまりにも膨大で、世界トップクラスのスーパーコンピュータを使っても、数日から数週間かかってしまうことがあるのです。
2. 今回のニュース:マツダ × QunaSysの挑戦
そこで立ち上がったのが、日本の自動車メーカー「マツダ」と、量子コンピュータのソフトウェア開発を行うベンチャー企業「QunaSys(キュナシス)」です。
今回のポイント
- マツダ技術研究所とQunaSysが、量子コンピュータを使った流体シミュレーション(量子CFD)の共同研究の成果と展望を発表。
- 従来のコンピュータでは計算しきれなかった「複雑な空気の渦」や「バッテリー周りの熱の流れ」を、量子アルゴリズムで高速に解く道筋を検証。
※参考元:QunaSys、マツダ技術研究所との量子CAE/CFD共同研究の取り組みと展望を公開 (MONOist)
3. なんで量子コンピュータだと解けるの?
普通のコンピュータは、情報を「0」か「1」のどちらか1つの状態で扱います。迷路を解くときに「1本ずつ道を確かめていく」イメージです。
一方、量子コンピュータは「量子力学」というミクロな物理法則を利用しています。「0と1の両方の状態を同時に併せ持つ(重ね合わせ)」ことができるため、膨大な組み合わせを一度にまとめて計算の波に乗せることができます。
空気の流れを解く連立方程式(ナビエ・ストークス方程式など)は、膨大な数の変数が絡み合う巨大な行列計算になります。量子コンピュータの「波の干渉」のような性質をうまく使うことで、計算にかかる時間を劇的に短縮できると期待されているのです。
4. 私たちの未来はどう変わる?
これが実用化されると、私たちが乗る電気自動車(EV)はもっと遠くまでバッテリーが持つようになり、高速道路でも車内が静かで快適になります。また、開発期間が大幅に短縮され、安全で環境にやさしいクルマが次々と登場するようになるかもしれません。
EFNMRQC(地磁気NMR量子コンピュータ)制作者の視点
産業界で使われる量子マシンは、絶対零度近くまで冷やす超伝導方式や真空容器を要するイオントラップ方式などが主流で、設備も巨大です。
一方で、私が現在ハードウェアを自作しているEFNMRQC(Earth's Field NMR Quantum Computer:地磁気核磁気共鳴量子コンピュータ)は、地球そのものが持つ微弱な磁場(約50μT)を利用し、常温・大気圧下で動作させるアプローチをとっています。
流体解析のような本格的なアルゴリズムを動かすには多数の量子ビットが必要ですが、基礎となる行列演算や干渉の仕組み自体は少数の量子ビットでも原理実験が可能です。まずは自作のRF回路や受信用ピックアップコイルで綺麗なFID(自由誘導減衰)信号を検出し、1〜2量子ビットのゲート操作を安定させることが当面の目標。身近な物理現象(流体)を解くアルゴリズムと、手元の自作回路が理論でつながっていると実感できると、回路基板のハンダ付けにも俄然熱が入ります。
現段階ではまだ私たちの生活に直接大きな影響を与える場面は少ないですが、今回のように実用化研究がどんどん進んでいけば、今のAIのように私たちの生活へ多大な影響をもたらす時代がやってくるはずです。
そうなった時に、時代に乗り遅れずに最前線に立てる準備をしておくことが大切だと感じています。実際に現在でも、AIをうまく活用できる人とそうでない人とで大きな差が生まれ始めています。
「自分はまだ学生だから」「エンジニアではないから」と遠ざけず、自分の興味のある分野からで構いませんので、まずは量子コンピュータに関するトピックを1つだけでも検索してみることから始めてみてください。このブログでもそうしたきっかけになる記事を発信していきます!
- 日々の実験メモやコード: GitHubリポジトリ(nmr-qc-project) に公開中
- リアルタイムの開発風景・オシロスコープ波形: X(旧Twitter) でポスト中
「本当に動くのか?」「どうやって波形を出すのか?」など、気になった方はぜひブログのブックマークやXのフォローをお願いします!

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